ツーリングの旅-山梨・フルーツライン編-
山梨県甲府盆地の北縁を走るフルーツラインは、甲州市から笛吹市へ連なる県道34号と市道の総称です。標高300〜600メートルの斜面を縫う全長約35キロのルートは、春の桃とサクランボ、夏のブドウ、秋の柿と、一年を通じて果樹園と甲府盆地のパノラマが楽しめます。南アルプスと富士山を同時に望む眺望の良さに加え、市街地から近くアクセスも容易なため、初心者からベテランまで幅広いライダーに人気です。
おすすめルート
スタートを中央自動車道勝沼ICとすると、県道34号を北上して勝沼ぶどう郷駅わきの高架橋を渡り、扇状地をジグザグに登ります。花鳥山展望台で甲府盆地越しの南アルプスを眺めたら、ピーチラインと呼ばれる区間を西へ。御坂みちとの交差点を直進し、みさか道の駅を過ぎてフルーツセンター入口交差点を左折し、一宮御坂ICへ下るルートが定番で、走行距離は約40キロ、所要2〜3時間です。帰路に国道137号を使えば河口湖や西湖へ足を延ばす周遊も可能です。
立ち寄りたい場所
花鳥山展望台
桜と桃の季節にはピンクの雲海が斜面を彩り、夜は甲府盆地の夜景が広がります。駐輪スペースは舗装済みで傾斜も緩やかです。
八代ふるさと公園
古墳を活用した公園で、芝生越しに富士山が顔を出します。無料駐車場とトイレがあり、昼食用のベンチも豊富です。
ほったらかし温泉
フルーツラインから市道経由で約8キロ。日の出1時間前から営業しているため、早朝ツーリングで冷えた体を温泉と盆地の雲海で温められます。
モンデ酒造ワイン資料館
試飲コーナーと瓶詰め体験があり、ノンアルコールのグレープジュースも人気。土産購入に最適です。
休憩スポット
道の駅甲斐大和
朝9時オープン。武田信玄ゆかりのほうとうや甲州ワインビーフコロッケなど地元グルメが充実しています。
フルーツセンター前農産物直売所
桃ソフトと朝採れブドウが名物。午前中は空いており、保冷バッグを持参すると安心です。
みさか路カフェ
一宮御坂IC付近のログハウス風カフェ。テラス席からブドウ棚を眺めつつスムージーでクールダウンできます。
走行のポイントと注意点
フルーツラインは片側1車線ですが、農作業車と観光バスの出入りが多く、春秋の収穫期は速度差が生じやすいです。見通しの悪い右コーナー出口で急減速する車両がいるため、ブレーキを早めに準備してください。果樹園エリアは落ち葉や果実が路面に散乱することがあり、雨天直後は特にスリップに注意します。標高差があるため冬季は路面凍結が発生しやすく、12月中旬から3月上旬は日陰区間の黒光りに警戒が必要です。
山梨・フルーツラインは、四季折々の花と果実、甲府盆地と富士山の大パノラマを一度に味わえる贅沢なツーリングルートです。走行距離は40キロとコンパクトながら、展望台や温泉、ワイン蔵など立ち寄りどころが豊富で満足度は高く、時期を変えて訪れることで異なる景観と味覚が楽しめます。安全なペースを保ちながら、果樹の香りと風を感じる爽快なライディングを満喫してください。

